
夏に被災してしまったら?ペットと一緒に避難する対策を考えよう!
防災対策
災害は、いつ襲ってくるかわかりません。特に地震は予測のできない災害であるため、日頃からの準備が非常に重要です。そして、季節によって用意しておくものや注意しておくことは異なるため、防災袋のチェックは定期的に行うことが望ましくあります。
毎年、猛暑になりがちな季節。天候や気温に左右されるのは人間も動物も同様です。夏に被災してしまった時、ペットの命を守るための対策を考えてみませんか。
暑さに対する備え
夏に災害が発生した時、まず対応しなければならないことは「暑さ」。人間だけでなく、ペットも熱中症には注意が必要です。ライフラインが止まってしまった場合などにも、対応できるように準備しておきましょう。
停電などで温度調整ができない場合
エアコンや扇風機など、生活家電が使用できなくなります。とはいえ避難所までの距離がある場合や、猛暑の日には移動することで熱中症を誘発してしまう危険性があるため、できる限り自宅で過ごせる環境を整えておくことを推奨します。
また、避難所まで移動できたとしても、エアコンが整備されているかは場所によって異なりますので、体を冷却できるアイテムや保冷バッグ、飲み水は忘れずに持っていきましょう。
■対角線上に2箇所以上の窓を開ける
空気の通り道ができるので、効率的に換気ができます。加えて、室内でも日陰になるところを見つけて、なるべく動かないようにして過ごすことが望ましいとされています。
しかしながら、酷暑が続くことが多い昨今では、換気だけではやり過ごせないことも多くあります。
■緊急電源を用意しておく
エアコンを動かすことは難しくても、ポータブルバッテリーや家庭用発電機を備えておけば、サーキュレーターや扇風機などの機器を作動できる可能性があります。機種によっては同時に複数の機器を充電することもできるので、非常用に用意しておくと安心です。
■便利グッズを使用する
ポータブル扇風機や冷却シート、接触冷感素材のシーツやマットなどを活用しましょう。ペット用にも様々なグッズが発売されています。シーツなどは、日頃からペットが愛用しているものだと、より安心感が増すでしょう。
また、サーキュレーターや冷風扇なども、充電式のものを購入しておくと、もしもの時にポータブルバッテリーなどと組み合わせて使用できるので、ぜひ検討してみてください。
■車に避難する
どうしても自宅での避難が難しい場合は、自家用車に避難することも有効です。燃料や環境の問題もあるため、継続的に利用するのは大変ですが、車であればエアコンが入りますし、アルミシートなどで覆うことで日差しも避けられます。
断水で水分補給が難しい場合
熱中症対策で重要なことのひとつに「こまめな水分補給」が挙げられます。断水になってしまった時に焦らないよう、水分の確保は必須項目といえます。
■飲み水の確保
犬は体重1kgあたり約50ml、猫は体重1kgあたり約40〜60mlの水分が必要と言われています。加えて、飼い主や家族の飲み水も必要となるため、ペットボトルなどを充分に確保しておきましょう。特に夏場は欲する水分量も増加します。冷凍庫などで凍らせてから、保冷バッグや発泡スチロールなどに入れて保存しておくのもいいですね。
■生活用水の確保
避難生活では飲用水はもちろん、生活に使用するための水も欠かせません。以前は、浴槽やバケツに水を貯めておく方法も推奨されていましたが、衛生面や破損の危険性などから注意が必要であるとの声もあります。生活用水についても、ペットボトルなどの水を使用した方が安全です。
また、トイレの配管が破損している場合、貯めていた水を流してしまうと下の階への漏水や詰まりの原因になるため、自治体の指示があるまで使用しないようにしましょう。
そのため、簡易トイレや非常用トイレ、防臭対策が施されたペット用の処理袋などを用意しておくことをお勧めします。
犬の暑さ対策
犬の体温は人間よりも高く、身体は毛に覆われているため暑さに弱い動物です。汗腺が発達しておらず、主にパンティング(舌を出してハアハアと呼吸すること)で体温調節するため、完全には身体を冷却しきれません。特に、フレンチ・ブルドッグやパグ、シーズーなどの短頭種や、ミニチュア・ダックスフンドやコーギーなどの足が短い犬、ダブルコートの毛に覆われた毛の長い犬種は暑さに弱いと言われています。
平常時でも、夏の間は室内を常に涼しく保ち、接触冷感素材のシーツやマットなどで体温調節がしやすいように整えておくことが必要です。また、湿度が高いとパンディングがうまくいかないことも多いため、湿度にも気を使いましょう。
犬が過ごしやすい温度帯は21℃〜25℃前後です。被災時に著しく温度が上がることがないよう、非常用電源の備えは必須といえます。その他にも、冷却グッズや凍らせたペットボトルなどを活用した上で、飲み水もたっぷり用意し、熱中症に気をつけてあげてください。
猫の暑さ対策
猫は犬よりも、暑さに強い動物です。とはいえ、適温は26~28℃程度。高温多湿の環境では熱中症の危険もあるため、充分な対策は必要です。
平常時は風通しが良い環境が理想的です。エアコンや扇風機の風が強すぎると音や匂い、触覚に刺激を感じて嫌がってしまうこともあるので、サーキュレーターなどを用いて直接身体に当たらないように注意しましょう。エアコンをつけている部屋と、換気だけをしている部屋など、複数の環境を作っておくのも良いですね。また、接触冷感素材のシートやマットは、猫が自分自身で体温調節がしやすくなるため、用意することを推奨します。
猫はグルーミングと言って、体を舐める行為をします。その唾液の気化熱で体温を下げますが、水分不足になってしまうと、脱水症状を引き起こすことがあります。被災時は飲み水を切らさないようにきをつけましょう。
対策が充分に行えない時は
様々な準備や対策を取っても、災害の規模が大きかったり、ライフラインの停止が長引いたりした場合は、ペットの生活環境が劣悪になってしまうことも考えられます。
そういった場合は無理せず、知人や行政を頼ることも必要です。停電や断水していない地域の家族や友人、ペットの一時預かり所、稼働しているペットホテルなどに預けることも検討しましょう。
被災してから探すのは難しい場合が多いため、平常時に預け先を相談しておく、自治体の一時預かり所を調査しておく、などの対応が重要になってきます。
【もしもの時に】ペット情報を携帯しよう!
ペットと離れてしまった時や、避難所・一時預かり所にお世話になる時には、ペット情報を素早く取り出し、情報共有することが求められます。
当サイトでは、ペット情報を書き込むための防災ブックのダウンロードが可能です。こちらは、災害時に備えてペットや飼い主の必要な情報をひとつにまとめておけるハンドブックです。必要事項を書いて持ち歩けば、いざというときに役に立ちます。
また、スマホなどに保存しておけるプロフィール画像の作成もできます。防災ブックの持ち出しができなかった場合でも活用できるので、こちらも作成しておくと安心です。
また、万が一ペットと離れてしまったり、行方不明になってしまった時はすみやかな捜索が求められます。自治体へ協力を要請することは大前提として、自身でもSNSなどを通じて捜索活動を行うことが可能です。
ペット捜索ポスターなどを、被災している中で作成するのは大きな負担がかかりますので、専用ツールなどを使うことをおすすめします。
当サイトにも、迷子ポスターを作ることができる機能がありますので、ぜひお役立てください。
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出典
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みずほ台動物病院「動物たちの水分補給、足りてる?飲ませる工夫」
https://www.mizuhodai-vet.com/info/3063/
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参考文献
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ペットの資格 通信通学講座「【ワンポイントアドバイス】ペットのことも考えた、猛暑の中での避難生活への備え」
https://www.pet-no-shikaku.com/info/22344 -
ユニ・チャーム ペット「猫の暑さ対策」
https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/cat-000010.html -
ペット用品通販・ペットライフのペピイ「【獣医師監修】猫の暑さ対策はどうすべき?熱中症の予防法やおすすめ対策グッズを紹介!」
https://www.peppynet.com/library/archive/detail/904 -
PETEMO by AEON PET「犬の暑さ対策は何が正解?「お留守番」「お出かけ」で解説」
https://www.aeonpet.com/topics/pet-column_80.html
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